ファイルサーバーからGoogle共有ドライブへの移行について(後編)
前回紹介した内容の後編として「移行準備」「移行作業」「移行後の運用状況」を紹介して行きます。
移行準備
移行準備として以下の作業を行いました。
アクセス権の整理
ユーザ(社員)毎にどの共有ドライブをアクセス可能とするかを設定する上で、GoogleWorkspaceのグループ機能(以降「グループ」)を活用しました。
グループを活用した経緯としては、もともとメールサーバーにGMailを導入しおり、部署宛等のエイリアス配信を行う目的で利用していた為、グループに設定しているユーザーを若干見直すことで活用することができました。
また、ファイルサーバーの時はフォルダー毎に関連する社員のアクセス権を付与しておりましたが、ドライブ毎のアクセス権にグループを付与することで煩雑さを解消することが出来ました。
部署毎の共有ドライブ作成
GASを利用して下記の様な構成の共有ドライブを一括で作成しました。
root共有ドライブ ┗部署1共有ドライブ ┗部署2共有ドライブ ┗部署3共有ドライブ ・ ・ ・
部署毎の共有ドライブへのアクセス権の付与
こちらも、GASを利用してアクセス権を付与しました。
※GAS作成は、下記サイトが非常に参考になりました。
移行作業
移行作業自体は全社員に協力頂き手動で行いました。
手順としては上記「移行準備」「部署毎の共有ドライブ作成」で作成した共有ドライブ毎に担当者を割り当てて行いました。
また、今回を機に全社員にパソコン版ドライブを導入しました。
パソコン版ドライブは、Windowsの場合Gドライブに共有ドライブが割り当てられエクスプローラーでファイル操作が可能で且つドライブとの同期も自動で行われるので、ファイルサーバーを利用していた時と同様の操作が可能です。
www.google.com 移行期間としては、全容量:1TB、全アイテム(ファイル+フォルダ)数:75万弱を1週間程度で移行する事ができました。
移行後の運用状況
7月に共有ドライブに移行して3ヵ月程度運用しておりますが、今の所大きなトラブル等もなく稼働しています。
共有ドライブの場合オブジェクト400,000個、ネスト階層20という制限があるので、その制限を回避する為のフォルダ階層の設計がポイントになってくると思います。
後、共有ドライブを運用してみた上での所感ですが
- リモートで業務を行う際に、ファイルサーバーの場合はVPNを経由してアクセスする必要があったが、共有ドライブの場合ネット環境さえあればいつでもアクセス出来るので(VPNが利用できなき場合等)利便性が向上した。
- 副次的効果として、社員の部署移動や退職が発生した時に、今まではメールとファイルサーバーそれぞれ対処が必要だったが、グループに統一する事で1か所で対処できる様になった。
最後に、共有ドライブのベストプラクティスになりますので、導入を検討されている方は参考にしてみて下さい。