ブロードバンド回線の見直しについて
社員から社内ネットワークが遅いという意見が上がり、改善を図る事にしました。
改善前の設備
改善前の設備はこんな感じです。
WAN環境
回線:光ネクストファミリーハイスピード
下り200Mbps/上り100Mbps(ベストエフォート)
TA:NTTよりレンタル
プロバイダ:某プロバイダ(固定IP)を使用
LAN環境
ルーター:WAN/LAN共に100Mbps対応
スイッチングハブ:100Mbps対応
LANケーブル:カテゴリ5e以上
定点観測
まずは、どれくらの速度が出ているのかをLAN環境から定点観測してみる事にしました。
また、計測には、Linuxのcurl(speed_download)コマンドを使用しました。
1週間程計測した結果、平均6~7Mbpsの速度が出ている事が分かりました。
ブロードバンド回線見直し
いろいろ検討した結果、低コストでネットワークインフラへの影響も無い事から、ブロードバンド回線を見直して、定点観測を継続する事にしました。
[見直し後]
光ネクストギガラインファミリー 下り1Gbps/上り1Gbps(ベストエフォート)
切替工事実施
切替工事は、予定通りネットワークインフラへの影響もなく無事完了しました。
そこで、切替後の定点観測結果を確認した所、まったく速度改善されていない事が判明しました。
そこで、改めて原因の切り分けを実施する事にしました。
原因切り分け
まずは、LAN環境から調査を実施します。
- (定点観測している)クライアント-ルーター間は正しく100Mbpsを認識しているか?
[調査結果]
問題ありませんでした。※結果は下記の通り。
# ethtool eth0 Settings for eth0: Supported ports: [ TP ] Speed: 100Mb/s Duplex: Full Port: Twisted Pair Auto-negotiation: on Supports Wake-on: g Wake-on: g Link detected: yes
- ルーターのWAN/LANポートは正しく100Mbpsを認識しているか?
[調査結果]
いずれも、問題ありませんでした。※結果は下記の通り。
WANポート
State for ETH instance 0: Status ............................ ENABLED Link .............................. up Configured speed/duplex ......... Auto-negotiate Actual speed/duplex ............. 100 Mbps, full duplex Auto-negotiation ................ complete
LANポート
Switch Port Information Port ............................. 1 Status ......................... ENABLED Link State ..................... Up Configured speed/duplex ........ Autonegotiate Actual speed/duplex ............ 100 Mbps, full duplex Automatic MDI/MDI-X ............ Enabled
LAN環境には問題が無さそうだったので、次にWAN環境の調査を実施する事にしました。
※WAN環境を調査する為には、社内ネットワークを止める必要があった為、社員が帰宅後に実施しました。
- WAN(TA)回線に直接接続しみたらどうか?
[調査結果]
LAN環境と速度が変わらない事が判明しました。
どうやらWAN環境に問題がありそうです。
- プロバイダ側で速度制限を実施していないか?
[調査結果]
プロバイダの技術サポートに問い合わせた結果、直近数カ月速度制限は実施していないとの回答でした。
残るは、TAか光回線の問題が考えられる為、NTTのサポート窓口に問い合わせてみる事にしました。
- TA/光回線等に問題ないか?
[調査結果]
しばらくするとNTTから回答があり、光回線が不安定になっている事が判明しました。そこで工事に来て頂く事になりました。※工事は即日対応してもらいました。
結論
原因は光回線のコネクタに問題があるとの事でした。
また、工事終了後の定点観測で、数十Mbpsまで速度が改善されました。
ネットワーク遅延はいろいろな原因が考えられますが、何かの参考になれば幸いです。